背景:　IPCC第6次報告書の抜粋(IPCC_AR6_WGI_SPM_JP)

	図1 1850～1900年を基準とした世界平均気温の変化(IPCC_AR6_WGI_SPM_JP.pdf)
	図1はIPCC（気候変動に関する政府間パネル)の第６次評価報告書から抜粋しました。 左図(a)は、過去2000年の世界平均気温の変化で、この100年の温度上昇が非常に急激であることを示しています。 温度を観測する前のデータは木の年輪の幅などから推定するらしいですが、その分野の専門家の研究結果なので、信頼性は高いと見なければなりません。 右図(b)は、観測された温度上昇から自然起源の分をシミュレーションで推定した結果です。 温度上昇の大半が人為的原因によるものであることを示しています。 現在では、シミュレーション技術も非常に進歩しているので、この結果も信頼性が高いと言えます。 多くの研究結果を踏まえ、IPCCの第６次評価報告書では以下の結論を出しています。
○	人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない。大気、海洋、雪氷圏、及び生物圏において、広範かつ急速な変化が現れている。
○	人為起源の気候変動は、世界中の全ての地域で、熱波、大雨、干ばつ、熱帯低気圧など多くの極端な気象と気候に既に影響を及ぼしている。
	最初の結論の「疑う余地がない」というのは科学の世界では一般に用いられない極めて強い表現です。 世界各国から集まった専門家が、この表現を使うことに同意した意味は重く受け止めなければなりません。 ともすると１℃程度の温度上昇など大したことはないと考えがちですが、それが熱波、大雨、干ばつ、熱帯低気圧など極端な気象の原因となれば話は別です。 温度が上昇すれば空気中の飽和水蒸気量が増加することは理科の授業で習いました。従って、温度が上がればある所では水分が蒸発して干ばつが起きますが、空気中の水蒸気はいずれは雨として地表にもどるので、 別の場所では大雨や熱帯低気圧が増えることは理解できます。 上の結論から明らかなように、
	我々人類は英知を結集して、二酸化炭素排出量の低減に取り組まねばなりません