電池とキャパシタの比較の結論: ラゴーンプロット
|
このページに書いてあること 1) 電圧を上げられれば電気2重層キャパシタのエネルギー 密度がリチウムイオン電池を超えることは可能 2) 電気2重層キャパシタの電解質を固体に変え高電圧化 したものがHV固体イオンキャパシタ(HV-SIC) 3) リチウムイオン電池を超えるキャパシタの唯一の方法 |
| 前ページへ | 次ページへ |
|
キャパシタを蓄電デバイスに使うというと「そんなことをしてもキャパシタは決して電池には勝てない」という人がいます。
その人たちが自分の意見の根拠として挙げるのは、図1の左側の電池とキャパシタの図です。
この図は横軸が電荷Qで縦軸が電圧Vとなっていて緑色の面積が蓄えられるエネルギーになっています。
図のように、キャパシタは放電とともに電圧が下がるので、電池に比べエネルギーは半分程度にしかならないというわけです。
酷い場合は、キャパシタに蓄えられるエネルギーは電池のエネルギーに含まれるという人もいますが、これは誤りです。 | ||
![]() 図1 電池とキャパシタ | ||
|
図1の左側2つの図で電池とキャパシタの違いを論じる人は、暗黙の内にひとつの仮定をしています。
それは「電圧は変えられない」という仮定です。
電気化学を専門とする人にとっては電圧は熱力学で決まる量なので勝手に変えることはできません。
しかし、セラミックスの専門家にとっては電圧は示強変数なので絶縁破壊電圧までは自由に変えられます。
図1の右の図はキャパシタの電圧を増やした場合です。図から明らかなように、キャパシタで電池の蓄電エネルギーを超えることは可能なのです。
| ||
![]() 図2 ラゴーンプロット | ||
|
ラゴーンプロットはエネルギー密度とパワー密度の位置づけで蓄電デバイスの性能を整理するときによく使われます。
図1にはLIBと各種キャパシタについて示しました。
目標は、LIBよりもエネルギー密度もパワー密度も高い蓄電デバイスです。 さまざまなキャパシタについて可能性を検討した結果、現行のキャパシタではいずれも目標に到達することはできず、 唯一、ラゴーンプロットの矢印で示した電界質を固体にして高電圧化したHV固体イオンキャパシタ(HV-SIC)だけが、目標に到達する可能性があります。 | ||
| 前ページへ | 次ページへ |



