電池とキャパシタの比較: 加熱・発火の問題
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このページに書いてあること 電池は発火の危険性があるがキャパシタにはない |
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リチウムイオン電池(LIB)の加熱・発火が大きな問題となっています。ここでは加熱・発火と劣化についてLIBとキャパシタを比較して説明します。
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![]() 図1 電池(LIB)の加熱・発火 | ||
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電池は電気エネルギーを化学エネルギーに変換して蓄えるので、衝突事故など何かの原因でエネルギー変換機能が故障すれば、化学エネルギーは本来の熱エネルギーとして放出されます。
したがって、電池を使用する限りは加熱・発火の危険性をゼロにすることはできません。また、発火の被害はエネルギー密度の増加とともに増えます。 LIBは正極材と負極材の間に電解質に有機系溶媒を用いています。これは高性能で一触即発の火薬とガソリンを混ぜて使っているようなものです。 そのためLIBが発火すると延焼が速く手に負えない状況になります。 最近のBEVは全て図1にように床面にLIBを敷き詰めた構造になっているので、室内の温度は発火とともに急激に上昇し、ある記事では3秒で800℃に到達したとあります。 LIBの発火で大問題となっているのは消火ができないことです。火薬と同じで酸化剤を含んでいるので消火器等で酸素の遮断しても火は消えません。 BEVの火災事故での消火法は、燃えている車の周りに壁を作り、中に水を入れて車を完全に水中に沈め放置します。その状態でも数時間は燃え続けます。 LIBの発火は廃棄したセルでも起こるので、ごみ収集車の中で火災を起こすなどの問題も生じています。 また、LIBは電池の特性上、4.2V以上の電圧で充電するとセルが加熱するという問題点があります。 この危険性を回避するために、多くのセルを直列接合する場合は、各セルに4.2V以上の電圧がかからないような工夫がされています。 これに対しキャパシタは化学反応のエネルギーを使わないので原理的に発火の可能性はありません。 | ||
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