各種キャパシタの比較: 反強誘電体キャパシタ
|
このページに書いてあること 計算の結果、反強誘電体を使ってリチウムイオン電池を超える 蓄電キャパシタはできない |
| 前ページへ | 次ページへ |
![]() 図1 反強誘電の分極―電場曲線 | ||
|
反強誘電体は、図1に示すように分極―電場曲線に2重のヒステリシスが現れる物質です。
反強誘電体を使ったキャパシタでは、図1の緑色の車線を入れら面積に相当するエネルギーが蓄えられます。
これは分極―電場曲線に火ヒステリシスがない常誘電体(図1赤線)よりも大きなエネルギーを蓄えられることになる。
反強誘電体を使った蓄電キャパシタは中国で多くの研究が行われている。
| ||
![]() 図2 反強誘電体キャパシタモデルとエネルギー密度 | ||
|
反強誘電体キャパシタで、最大どの程度のエネルギーが蓄えられるのかを明らかにするために、
抗電場150kV/cmで分極反転量100μC/cm2という実在の材料では得られない特性を持った反強誘電体をモデルとして、エネルギー密度の計算を行いました。
その結果、予想に反して3Wh/kg弱という低い値となりました。特に重要なのは、反強誘電体層をMLCCと同様に薄層化してもエネルギー密度は増えないことです。
これは、分極スイッチングは一定の電圧ではなく電場の時におこるので、薄層化すればスイッチング電圧は低くなり、それ以上電圧を印加してもエネルギーは蓄えれないためです。
あるいは、反強誘電体の分極スイッチングで蓄えられるエネルギーは示量変数なので、積層構造やナノ構造の形成でその密度を変えることができないと考えることもできます。 以上より、目標値の達成には数桁にもおよぶ材料物性の向上が必要となるため、 反強誘電体を用いたキャパシタで、LIBを超えるエネルギー密度を持つ蓄電デバイスを作ることは極めて困難です。 | ||
| 前ページへ | 次ページへ |



