各種キャパシタの比較: 可能性のあるキャパシタは
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このページに書いてあること 多くのキャパシタがあるがリチウムイオン電池を超える 可能性があるのは、MLCC、反強誘電キャパシタ、電気2重層 キャパシタの3つの候補 |
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既存に全てのキャパシタについて、汎用のリチウムイオン電池(LIB)のエネルギー密度を超えるような蓄電キャパシタとしての可能性を検討しました。その結果を結果を以下に示します。
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| ○ | 積層セラミックスキャパシタ(MLCC) 計算結果を後で説明します
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| ○ | 反強誘電体キャパシタ 計算結果を後で説明します
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| ○ | 電気2重層キャパシタ 結果を後で説明します
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| ○ | アルミ電解キャパシタ | |
| 多孔質アルミ箔の表面を酸化して酸化アルミニウムとしたキャパシタです。
アルミ箔を何重にも巻くことで面積を増やし、1F程度までの高容量のキャパシタを作ることができきます。
しかしながら、酸化アルミニウムで比誘電率は10程度なので面積を大きくしただけでは、LIBのエネルギー密度に到達することはできません。
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| ○ | タンタルキャパシタ | |
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タンタル金属の多孔質化しさらに酸化して酸化タンタルとしたキャパシタです。酸化タンタルの比誘電率は25程度の酸化アルミニウムよりも高いので小型で高容量が得られます。
しかしながら、タンタルの比重が大きいことと高価なことも蓄電キャパシタ用の材料としては不向きだけでなく、この比誘電率ではLIBのエネルギー密度に到達することはできません。
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| ○ | フィルムキャパシタ | |
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有機フィルムの両面にアルミを蒸着し、筒状の芯に何重にも巻きつけることで高容量を実現しているキャパシタです。
キャパシタ特性は良好ですが、有機フィルムの比誘電率は5以下と低いためにLIBのエネルギー密度に到達することはできません。
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| ○ | ポリマー・セラミックスコンポジット | |
| チタン酸バリウムなどのように比誘電率が1000以上の高誘電率粒子をポリマーに分散したキャパシタです。
等価回路として誘電率が5以下のポリマーと高誘電率粒子が直列接合になるので、全体としての比誘電率は200以下となります。
このため、高電圧を印加できる利点はありますが、LIBのエネルギー密度に到達することはできません。
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| ○ | 金属・セラミックスコンポジット | |
| セラミックス誘電体の中に金属微粒子を分散したコンポジットのキャパシタです。
セラミックスの実効的な長さが短くなるので、見かけ上は比誘電率が1万以上にもなりますが、幅の小さなセラミックス部分に電界が集中して高電圧をかけることができないので、LIBのエネルギー密度に到達することはできません。
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| ○ | 粒界絶縁キャパシタ | |
| 半導体化したチタン酸ストロンチウムなどのセラミックスの粒界部分だけを絶縁化したセラミックスキャパシタです。
見かけの比誘電率は数万程度と高くできますが、薄い粒界絶縁層に電界が集中するので耐電圧が低いという問題があります。
これを改善るするには粒界数を増やす必要がありますが、そうすると各粒界が直列接合になり容量が低下し、結果として、LIBのエネルギー密度に到達することはできません。
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| ○ | 薄膜キャパシタ | |
| 基板上に各種の方法で誘電体セラミックスを堆積したキャパシタです。厚みが1ミクロン以下と薄いのでエネルギー密度を上げることができます。
しかしながら、薄膜部分のみで計算したエネルギー密度は高いのですが、基板まで入れると非常に低下します。
また、ほとんどの場合、薄膜の製造コストが高くなるのでLIBを置き換えるようなキャパシタはできません。
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| ○ | ケミカルキャパシタ(電気2重層を除く) | |
| リチウムイオンキャパシタなどのように、電極反応を利用して容量を増加した電気2重層キャパシタです。
電極反応が入るのでエネルギー密度は示量変数となり、エネルギー密度は電池よりも低くなります。その結果、LIBを置き換えるようなキャパシタはできません。
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