HV固体イオンキャパシタ(HV-SIC):Li→Naによる脱中国原料
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このページに書いてあること 1) Li⇒Naは脱中国原料という観点で日本には重要 2) Na型HV固体イオンキャパシタ(Na-HV-SIC)は作製可能である 3) このキャパシタは高度なプロセス技術を持つ日系の 部品・素材メーカーにしか作れない |
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![]() 図1 リチウム⇒ナトリウムの重要性 | ||
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1991年から2018年の約30年間でリチウムイオン電池の価格は97%下落しました。
これは主に中国メーカーの大量生産によるコストダウンと国家レベルでの資源確保の成果でsる。
これだけでも日系メーカーがこのビジネスに参入するのは、非常に難しいことがわかります。
さらに、2021年からはリチウム原料が高騰しています。
これが市場原理に基づくものかどうかは知ることはできませんが、中国メーカーにとっては追い風となります。 現在、リチウム原料の供給メーカは米国と中国に占められています。リチウム鉱山は南米とオーストラリアに偏在していますので、両国とも国家戦略として資源確保をしています。 また、リチウムイオン電池の供給メーカーは中国、韓国、日本ですが、明らかに勢いがあるのは中国メーカーです。 安定した資源確保(おそらく安価)と大量生産により、韓国と日本のメーカーはコスト的に競争できない状況であり、今後、その傾向はさらに強くなると予想されます。 BEV製造メーカーについても、最近、中国メーカーの躍進が著しいです。これも中国のリチウムイオン電池メーカーから安定かつ安価に電池を供給されていると考えなければなりません。 唯一、テスラはトップシェアを確保していますが、いつまで続くかは不明です。 要するに話は単純で、リチウムを使っている限り日本メーカーに勝ち目はないということです。 ナトリウムを用いることができれば、日本は海に囲まれているので資源は無限に手に入ります。 しかし、リチウムイオン電池をナトリウムへ変更するのは技術的なハードルが高いです。 この理由は電極材料中で大きなナトリウムイオンが動きにくく、結晶中の含有量も落ちるのでエネルギー密度が低下し、さらに、大きなナトリウムイオンので出入りによる体積変化が大きくサイクル寿命が短くなるためです。 しかし、これらの理由は全て電極反応に関わることですので、キャパシタでは問題になりません。 固体電解質のイオン伝導度は、一般にナトリウム型の方がリチウム型よりも低く、電池の場合、これは内部抵抗の増加となり電池性能を低下します。 しかし、キャパシタの場合はほとんど問題にはなりません。 要するにキャパシタならば、リチウム⇒ナトリウムの変更は可能ということです。 | ||
![]() 図2 ナトリウム型でのナノ構造(疑似積層構造)による高電圧化の実験的検証 | ||
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ナトリウム型HV固体イオンキャパシタ(Na-HV-SIC)を作製し充放電特性を測定したところ、リチウム型と同様に疑似積層構造型ナノ構造の導入により高電圧化が可能となり、エネルギー密度も向上しました。
図2左図からナノ構造の導入により、明らかに電気分解に基づくファラデー電流が低減していることがわかります。これは理論的な予測と一致します。
なお、試料に使用した元素は、どこにでもあるNa, Si, Fe, B, C, O, P, Clで原料の脱中国が可能となっています。
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![]() 図3 さらなる高電圧化には原料の粒径制御が必要(右は理想的な微構造であるMLCC) | ||
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ナトリウム型もリチウム型と同様にかけられる電圧に上限がありました。これはナノ構造の不均一性によるものです。
使用している原料の粒径部分布をシャープにそろえ、右がらのMLCC(太陽誘電製)のような粒径が均一で、各粒子の中にナノ構造の一種であるコアシェル構造を作れば、
さらなる高電圧化が可能となりエネルギー密度の向上が期待できます。しかし、これは技術力のある日系の部品・素材メーカーにしかできません。 いずれにしてもトライするのはナトリウム型に限定すべきです。中国やアメリカがリチウムを買い占めたければご自由にどうぞです。 | ||
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