キャパシタの弱点:エネルギー保持特性
|
このページに書いてあること 1) エネルギー保持特性はキャパシタの弱点 2) 保持特性向上にはリーク電流を低くすることが重要 |
| 前ページへ | 次ページへ |
|
ここまで電池と比較した時のキャパシタの利点のみを書いてきまましたが、キャパシタにも弱点があります。
その中でも最大の弱点は、エネルギー保持特性です。電池は化学エネルギーとして電気を蓄えるのに対し、キャパシタは電極上の電荷として蓄えるわけですから、当然、その安定性は劣ります。
一般にキャパシタに蓄えられたエネルギーは時間とともに失われていくわけです。 しかし、キャパシタだからと言って必ず時間とともにエネルギーが失われるわけではありません。理想的なキャパシタでは蓄えられたエネルギーは永遠に失われません。 | ||
![]() 図2 エネルギー保持特性の向上にはリーク電流の低減が必要 | ||
|
充電されたキャパシタの電極には電荷が残り、この電荷に可動イオンが引き寄せられています。
何もなければその状態を永久に維持するので、何か熱平衡に戻るように電荷が失われると考えるのは誤りです。
この電極上の電荷を消すのは、電極間を流れる電流です。 この電流には表面付着水中のイオン、固体電解質を流れるファラデー電流、固体電解質の電子伝導があります。 これら中で前者2つは分極処理で消せますが、最も厄介なのは電子伝導です。 今回使用した試料は鉄を含んでいましたので、2価、3価鉄イオンのホッピングで電子電動が生じた可能性があります。 それが問題になる場合は、鉄をイットリウムなどに置換する必要がありますが、これは原料コストの増加を招きます。 HV固体イオンキャパシタ(HV-SIC)に使う固体電解質には高いイオン伝導性は必要ありません。 イオン伝導性を多少犠牲にしても、安価な原料で電子電動によるリークの少ない材料を開発する必要があります。 | ||
|
これ以上の技術情報は有料となります 必要な方は左の「技術指導の契約」をクリックしてください | ||
| 前ページへ | 次ページへ |


