3000Wh/kgが実現した場合: 軍事技術へ応用すれば(1)
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このページに書いてあること 高性能蓄電キャパシタにより原子力潜水艦に代わる 新型潜水艦を作ることができる |
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高性能蓄電キャパシタは、防衛装備の高性能化にも大きく貢献します。
大型電動ドローンや戦闘補助ロボットなどが直ぐに思いつきますが、ここでは周囲を海に囲まれた日本にとって重要な潜水艦と魚雷について説明します。 なお、筆者は当然のことながら、防衛設備の専門家ではありません。 したがって、下記の内容はあくまで理系研究者が物理法則に基づき考えた範囲ですので、専門家から見ればナンセンスな部分もあるかと思います。 この点につきましては、予めご了承をお願いします。 潜水艦への応用 | ||
![]() 図1 潜水艦への応用 | ||
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潜水艦は、大きく原子力潜水艦と通常動力型潜水艦に分けることができます。 原子力潜水艦は、原子力を動力とする潜水艦で艦内に小型原子炉を持っています。 原子力は非常にエネルギー密度の高い発電方法なので、ごく少量の燃料で外部から空気を取り入れることなく長時間の運転が可能です。 いわば無限の電気エネルギーで動いているのようなものです。 原子力潜水艦は艦内で海水を電気分解し酸素を作ることができるので、食料などの制限がなければ潜航時間は理論的には無限になります。 また、電気を節約する必要もないので、フルパワーで水中走行が可能となり水中速度は高く設定できます。 反面、原子炉を常に動かしている必要があり、それに伴う騒音のため静粛性に問題が生じるという欠点があります。 これに対し通常動力型潜水艦は、ディーセルエンジンとバッテリー駆動される電気モータを動力源としています。 空気が取り入れられない高深度の水中ではバッテリーがエネルギー源となります。 バッテリー駆動の利点は静粛性です。しかし、バッテリーの充電量は制限があるので、省エネ運転となり水中速度を高く設定することはできません。 また、バッテリーの充電残量が少なくなれば浮上するか海面直下でシュノーケルを使って空気を取り入れ、ディーゼルエンジンを動かしてバッテリーを充電しなければなりません。 このバッテリー充電時が潜水艦にとっては最も危険な時間帯で、発見され攻撃される危険性が高まります。 乗組員にとっては、おそらくシュノーケルを使っての充電は、実戦はもちろん訓練でもやりたくないはずです。 深度を精密に維持しなければなりませんし、波により空気取り入れ口に海水が入ればその対処もしなければなりません。 それも秒きざみでの迅速で確実な作業が要求されるはずです。 バッテリーのエネルギー密度が上がり充電量が多くなれば潜水艦の水中での能力は高くなります。 そのため最新型の潜水艦は従来までの鉛バッテリーに代わりLIBが使われていいます。しかし、この変更は決して容易ではなかったはずです。 その理由はLIBには加熱・発火の可能性があるためです。 万が一、艦内でLIBの火災が発生したら容易に消火はできないので、乗組員の犠牲をともなう重大事故になる可能性があります。 当然、それを防ぐためにLIBセルの信頼性と均一性は求めているでしょうし、バッテリマネージメントも安全側に設定し、各種の安全回路やセンサー類にも充分な工夫がなされているはずです。 しかし、LIBを使っている以上、火災事故の可能性をゼロにすることはできません。 もしも、大規模な人身事故を起こしたら、日本の防衛政策を根本から揺るがすことになるので、潜水艦技術者は心のどこかにわずかな不安をかかえているのではないでしょうか。 高エネルギー密度の蓄電キャパシタが開発されれば状況は一変します。まず、キャパシタは発火の危険性がありません。 仮に何らかの原因で火災が起きても難燃性樹脂のパッケージに入っているので延焼はしませんし、消火には通常の消火器が使用できます。 このような安全性を有した上で、エネルギー密度がLIBの10倍以上あると言えば、「それなら使ってみたい」という潜水艦技術者はいるのではないかと思います。 日本の専守防衛では潜水艦の活動は日本近海に限られるため、原子力潜水艦のような潜航時間は必要ないはずです。 それに日本人は原子力に対するアレルギー反応があるので、原子力潜水艦の導入は世論の支持がえられないでしょう。 日本の潜水艦で最も重要な性能は隠密性ではないかと思います。高性能蓄電キャパシタを使った潜水艦は静粛性に優れるだけでなく、短期間の任務ならば基地を出る時にフル充電しておけば、充電のための浮上やシュノーケルを使った充電は必要ないので、隠密性は最も優れています。 また、電力に余裕があるので、水中速度も上がり水上艦艇との共同運用が可能になるのも大きな利点となります。 この意味で日本に最も適した潜水艦は、高性能蓄電キャパシタを搭載した通常動力型潜水艦ではないでしょうか。 | ||
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