電池とキャパシタ: 熱力学にみると
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このページに書いてあること キャパシタの利点は基礎学問である熱力学に裏付けられている |
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熱力学は、熱や物質の輸送現象やそれに伴う力学的な仕事についてを、系の巨視的性質から扱う学問で、量子力学、電磁気学とならんで工学系学生の必須科目です。
熱力学の学問体系は既に完成していて、そこで述べられていることは正しいとされています。
平衡系熱力学を考えるときには、システムに熱エネルギーだめと機械エネルギーだめを繋ぎ、それらの間でのエネルギーのやり取りを議論します。
電磁気物性を議論する時には、さらに磁気エネルギーだめと電気エネルギーだめを加えます。それを図1に示します。 | ||
![]() 図1 熱力学的なエネルギーだめとキャパシタ | ||
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ここで注目するのは電気エネルギーだめです。電気エネルギーの微小変化は、電気系の示強変数である電場Eと示量変数である電束密度Dの微小変化dDの積EdDで与えられます。
このEdDを0からDまで定積分すると電気エネルギーだめに蓄えられたエネルギーを計算できます。ここで電場Eと電束密度Dの間には常誘電体ではD=εEの関係があります。ここでεは誘電率です。
この関係を代入し、さらに、試料の大きさを任意にするため試料サイズの規格化を外しますと、E→V(電圧)、D→Q(電荷)、ε→C(静電容量)となるので、これらに書き換えますと、
最終的に電気エネルギーだめに蓄えられれるエネルギーは、(1/2)CV2となります。この式は高校の物理で習ったコンデンサーに蓄えられるエネルギーです。
つまり、システムに連結した電気エネルギーだめとはキャパシタ(コンデンサ)なのです。 これに対し、電池は電気エネルギーだめにつながり、電気エネルギーを化学エネルギーに変換して蓄えます。 また、揚水発電は電気エネルギーを重量エネルギーに変換して蓄えます。このエネルギー変換は決して効率が100%になることはありませんし、繰り返し変換で劣化します。 特に電池の場合はエネルギー変換に失敗すると化学エネルギーは電気エネルギーに戻らずに熱エネルギーとして放出され、加熱・発火の原因となります。 このように考えると、電池の損失、劣化、発火の可能性を無くすことは原理的にできないことがわかります。 一方、システムと電気エネルギーだめであるキャパシタのエネルギーのやり取りには劣化はありませんし、原理的には損失もありません。 以上のことから、 | ||
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キャパシタの利点は基礎学問である熱力学に裏付けられていることがわかります |
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